2017年9月26日火曜日

「11人以外の選手たちへ」 4年 山崎浩介

「11人以外の選手達へ」
4年 山崎浩介


スタートでピッチに立てるのは11人。

それ以外はベンチ、バックアップ、応援、補助学、運営など様々な立場でチームの勝利の為に与えられた役割を全うすることが明治大学体育会サッカー部という組織である。

これを実行することはそう簡単なことではない。
なぜなら選手としてスタメンで出場できない時の悔しさは誰もが必ず持っていると思うからだ。
だが、その悔しさをどう表現するかは選手によって様々であると思う。
その表現の仕方によって、1人の選手としての価値が決まると自分はこの組織で四年間過ごしてきて感じている。

中には現実を受け入れられず、表情や態度に出ているように感じる人がいる。
もちろん悔しいのは分かるし、正直メンタルの持ち方も難しいのも分かる。しかしそれで何も得はしないし損でしかない。矛先が他人や外に向いていて、自分に向けることができていないなと思う。
残念ながらそのような選手は絶対成長できないし、仲間から応援され、信頼される選手にもならないだろう。

偉そうに書いている自分も今思えば下級生の頃の考え方は情けなかった。
練習試合でも自分のプレーさえ良ければいいと思っていたし、それで評価されるとも思っていた。週末のTOPチームの応援をしていても、どこか本気ではない自分がいた。チームの勝利は二の次だったのだ。
その考え方の時点で、TOPチームに上がれる訳もなく、チームを勝たせられる選手になれる訳がなかった。

その間違いに上級生となり、明治を引っ張って行く自覚が出てから、気づき後悔した。
明治で紫紺のユニフォームを着る重み、伝統を引き継いでいく責任感。応援してくれている人達の為、チームの勝利の為に行動またプレーすることがどれほど大切なことであるかを特に最終学年となった今年は尚更感じている。
このようなことに気づいてから、悔しさの表現の仕方が変化していったのだと思う。
たとえスタメンで自分の名前が呼ばれなくても、ベンチ、バックアップ、応援それぞれの立場で今すべきことを考え、チームが勝つことから逆算して行動できるようになった。またスタメンにあって自分に足りないものは何か。試合に出れない時期こそ課題に対してどう取り組む必要があるか。他にも、チーム全体の雰囲気はどうか。仲間に対してどのように発信するべきか。などなどより考えるようにもなった。大学生は時間がある分、自分で考えて自分で変えていく力が重要であるわけだ。

もしこれを読んで、後輩の中で思いあたる点があったり、今うまくいってなかったり、もがいている選手がいるならば、一回自分自身を振り返ってみて早く気づいて欲しい。うまくいかない原因が見つかるかもしれないし、成長できるチャンスだと思うから。

だからこそ逆にスタートで出場する11人は、11人以外の選手全員の想いを背負ってピッチに立つ責任があるし、闘わなければならない。
このように本当の意味で1人1人がその時その時で与えられた立場の役割を全う出来た時にチームが1つになっていると思う。
 
今シーズンも残すところあと3ヶ月。
試行錯誤を繰り返し、前期なかなか思うような結果は出なかった。総理大臣杯もあと一歩のところで逃した。まだ何も成し遂げることができていない現状を受け止め、全員が1つになり、目の前の一試合一試合に集中して地道に積み重ねていこう。
そうすれば最後みんなで笑って終わる力はある。

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